ADC シーラス
ADC シーラス
シーラスII(ロンドン、サイエンス・ミュージアム)
シーラスIII(右)とシーラス・ハーミスI(左)(ヴァンター航空博物館)
シーラスIII
デ・ハビランド DH.60 モスに搭載されたシーラスIII(ヴァンター航空博物館)
派生型ブラックバーン シーラス・マイナー(コスフォード、イギリス空軍博物館)
ADC シーラス(ADC Cirrus )は、イギリスのエアクラフト・ディスポーザル(英語版)(Aircraft Disposal Company)による航空用エンジン。後に製造者の変遷によりシーラス・ハーミス(Cirrus Hermes)となった。さらに1934年のブラックバーン・エアロプレーン・アンド・モーターによるシーラス・ハーミス(英語版)社買収後の派生型がブラックバーン シーラス(Blackburn Cirrus)とされる場合もある[注 1]。
開発
1925年、エアクラフト・ディスポーザルによって出力60 hp(45 kW)の初期型シーラスIが開発され、50時間の試験に合格した。これは初の空冷直列型エンジンであり、フランク・ハルフォード(英語版)によって設計された。シーラスは、軽飛行機に広く用いられることになった。ADC エアディスコ(英語版)V8エンジンのシリンダーバンク1セットを利用したレイアウトは[2]、速やかに他社に模倣された。
その後、シーラスII、シーラスIIIと開発が続き、シーラス・ハーミスにおいても続いた。一部のシーラス・ハーミスの型式は、倒立エンジンとしても製造された[3]。
型式
- シーラスI:1925年
- シーラスII:1926年
- シーラスIII:1929年
- シーラスIIIA:1933年
- シーラス・ハーミスI:1929年
- シーラス・ハーミスII:1930年
- シーラス・ハーミスIIB:1931年、倒立
- シーラス・ハーミスIV:1930年
- シーラス・ハーミスIVA:1929年、倒立
派生型
ブラックバーンによる派生型として、ブラックバーン シーラス・メジャー(英語版)とブラックバーン シーラス・マイナー(英語版)が生産された。
要目
出典: [1][4]
諸元
- タイプ: 空冷4気筒直列型エンジン
- シリンダー直径: 4.13 in (105 mm)
- ストローク: 5.12 in (130 mm)
- 体積: 274.36 in3 (4.5 L)
- 全長: 45.8 in (116.3 cm)
- 全幅: 18.26 in (46.4 cm)
- 全高: 34.3 in (87.1 cm)
- 重量: 260 lb (120 kg)
- 設計者: フランク・ハルフォード
機構
性能
- 出力: 60 hp(45 kW)
- 圧縮比: 4.7:1
注
- ^ 1927年、シーラス・エアロ・エンジンズ設立。同社は売却に伴い1931年にシーラス・ハーミス、1934年にブラックバーン・エアロプレーン・アンド・モーターのシーラス・エンジン事業部として第二次世界大戦後まで存続した[1]
出典
- ^ a b Lumsden 2003, p. 130
- ^ Bill Gunston (1989). World Encyclopaedia of Aero Engines. イギリスケンブリッジシャーケンブリッジ: Patrick Stephens Limited. p. 40. ISBN 1-85260-163-9
- ^ Lumsden 2003, p. 132
- ^ “The 60 H.P. "Cirrus" Light Plane Engine” (PDF). Flight (Flightglobal) 844: 107. (1925-02-26). http://www.flightglobal.com/FlightPDFArchive/1925/1925%20-%200107.PDF 2015年3月31日閲覧。.
参考文献
- Alec Lumsden (2003). British Piston Engines and their Aircraft. イギリスウィルトシャーマールバラ: Airlife Publishing. ISBN 1-85310-294-6
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、ADC シーラスに関連するカテゴリがあります。
- Period engine advertisement - Flight, June 1929