貴賓室

貴賓室(昭和館 (栃木県庁舎))

貴賓室(きひんしつ)は、要人を接遇するために設けられた部屋

ヨーロッパ

ロシア

オランダ

日本

羽田空港成田空港など主要な空港や、野球場両国国技館などの施設には、皇族閣僚、外国の元首など賓客を対象にした貴賓室(VIPルーム)がある。

空港

貴賓室が常設ないしは仮設された空港は以下の通り[2]

常設

かつて貴賓室が仮設された空港

鉄道駅では、一般利用者と隔離するため改札口がなく、そのまま列車へ乗込むことが可能。第二次世界大戦終戦前の日本においては天皇皇室が利用する部屋として設置され、一時期は元老なども利用した。なお、貴賓室がない駅でも構造によるが要人・著名人や国会議員(議員向けの乗車証)は通常の改札口を使用しないことがある(専用エレベータや改札機以外の通路[3]、場合によっては職員用通路など)。

貴賓室が現存する駅

原宿駅皇室専用出入口
黒磯駅皇室専用出入口
  • 盛岡駅・福島駅・郡山駅(東日本旅客鉄道)[4]
  • つくば駅首都圏新都市鉄道
  • 那須塩原駅(東日本旅客鉄道) - 那須御用邸への来訪時に使用される。
  • 黒磯駅(東日本旅客鉄道)
  • 大宮駅(東日本旅客鉄道・東武鉄道)
  • 東京駅(東日本旅客鉄道・東海旅客鉄道) - 東京駅の貴賓室については東京駅の歴史を参照。
  • 原宿駅(東日本旅客鉄道) - 皇室専用ホーム。正式名称「原宿駅側部乗降場」。
  • 秋葉原駅(首都圏新都市鉄道) - 通常時は会議室としても利用される。
  • 伊豆急下田駅(伊豆急行) - 須崎御用邸への来訪時に使用される。
  • 名古屋駅(東海旅客鉄道)[5]
    • 1993年まで存在した旧駅舎では、中央通路の桜通口側の突き当たりがシャッターになっており、シャッターが開くと貴賓廊下があった。貴賓廊下には赤絨毯が敷かれ廊下は少し下りになっており貴賓階段から貴賓玄関までつながっていた。その貴賓廊下の左側に200m2ほどの貴賓室があった。
    • 太閤通口車寄せ前に出入口があり、東海道新幹線ホーム(14号車付近)に直接上がれる専用エレベータがある。
  • 近鉄名古屋駅(近畿日本鉄道)
  • 宇治山田駅(近畿日本鉄道) - 皇族内閣総理大臣などの伊勢神宮参拝時に使用される[5]
  • 橿原神宮前駅(近畿日本鉄道)皇族などの橿原神宮参拝時に使用される。
  • 岐阜羽島駅(東海旅客鉄道)[4]
  • 京都駅(東海旅客鉄道)[4] - 2代目の駅舎には貴賓室と別に皇族用の御便殿があった[6]
  • 新大阪駅(東海旅客鉄道・西日本旅客鉄道)[4]
  • 新神戸駅(西日本旅客鉄道)[4]

かつて貴賓室が存在した駅

日光駅貴賓室
  • 横須賀駅 - 海軍基地があったために設置された。
  • 川湯温泉駅 - 御料地があったために設置された。現在は、駅事務室と共に改装され喫茶店として利用されている。
  • 古間木駅 - 十和田湖観光の玄関口であり需要が高かった。内装は三越調製の調度品が用いられた[7]
  • 上野駅(旧国鉄) - 駅ナカ事業の一つとして、フランス料理店になっている。
  • 武蔵高萩駅 - 陸軍士官学校行幸のために設置された。戦後は倉庫として使われ、2004年橋上化により解体されている。
  • 日光駅 - かつて田母沢御用邸への来訪に使用された。現在、一般公開されているが電話による事前手続きが必要。
  • 西那須野駅
  • 中軽井沢駅
  • 翁島駅 - 旧駅舎は「猪苗代緑の村」へ移築保存。
  • 二条駅(旧国鉄) - 旧駅舎は梅小路蒸気機関車館へ移築。
  • 畝傍駅 - 不定期に公開している。
  • 桃山駅 - 明治天皇陵への親拝に伴い設置された
  • 神戸駅 - 新神戸駅の開業に伴い駅長室に転用されたが、現在は「がんこJR神戸駅店」の一部となっている。
  • 大社駅(旧国鉄)
  • 田布施駅 - 佐藤栄作元首相の出身地最寄り駅。国鉄側は否定したが、1968年の参議院運輸委員会で、その存在が取り上げられた[8]
  • 門司港駅 - 1914年から1935年にかけて貴賓室として供用[9]。2019年に貴賓室が復原され、レストランの団体専用部屋として供用される[9]

都道府県庁

市町村役場

出典

[脚注の使い方]

注釈・出典

  1. ^ a b 小野田滋『高架鉄道と東京駅 下巻』交通新聞社、2012年、176頁
  2. ^ “中部空港に貴賓室棟 サミット対応”. 読売新聞 (中部). (2015年8月25日). http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20150825-OYTNT50036.html 2015年8月28日閲覧。 
  3. ^ 四半世紀も眠っていた「田中角栄の愛弟子」が安倍一強打倒に動き出した 幻の中村喜四郎独白録「私と選挙と田中角栄」#2 - 週刊文春
  4. ^ a b c d e 「首相動静」日本各紙
  5. ^ a b 首相動静 - 1月4日 asahi.com(2010年1月4日付). 2010年1月24日閲覧
  6. ^ “昭和25年11月18日 京都駅火災”. 2017年6月22日閲覧。
  7. ^ 全国で唯一の白樺の駅が完成『読売新聞』昭和9年4月13日(『昭和ニュース事典第4巻 昭和8年-昭和9年』本編p1 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  8. ^ 佐藤首相の郷里、田布施駅「無用の長物、貴賓室」参院運輸委でただす『朝日新聞』1968年(昭和43年)3月6日朝刊 12版 14面
  9. ^ a b “門司港駅貴賓室を再現 JR九州、重文改修終え来月開業”. 産経ニュース. (2019年2月24日). https://www.sankei.com/region/news/190225/rgn1902250008-n1.html 2019年3月10日閲覧。 
  10. ^ “県庁舎各階のご案内”. 福井県ホームページ (2020年7月29日). 2021年3月6日閲覧。
  11. ^ “愛知県庁本庁舎(Aichi Prefectural Office Main Building)”. 愛知県庁ホームページ (2016年3月13日). 2021年3月6日閲覧。
  12. ^ “庁舎案内 > 配置図”. 愛媛県ホームページ (2020年4月3日). 2021年3月6日閲覧。
  13. ^ “大分県庁舎本館 館内のご案内”. 大分県庁ホームページ (2020年10月1日). 2021年3月6日閲覧。
  14. ^ “「重文」貴賓室などを公開 愛知県庁・名古屋市役所”. 日本経済新聞 (201-11-04). 2021年3月6日閲覧。

関連項目