論理積の導入

論理積の導入 (ろんりせきのどうにゅう、: Conjunction introduction)(連言導入則 {\displaystyle \land } -導入則とも)[1][2][3]は、命題論理における妥当性のある推論規則のひとつである。この規則を用いることによって、論理式の証明の中に新たに論理積(「 {\displaystyle \land } 」)を加えることができる。もし「P」という命題が真であり、かつ「Q」という命題が真であれば、「PかつQ」という命題もまた真である、という推論規則である。例えば、「雨が降っている」という命題が真であり、「私は部屋の中にいる」という命題が真であれば、「雨が降っており、私は部屋の中にいる」という命題は真である。この規則は、下記のように記述することができる。

P , Q P Q {\displaystyle {\frac {P,Q}{\therefore P\land Q}}}

ここで、命題「 P {\displaystyle P} 」と命題「 Q {\displaystyle Q} 」がそれぞれ証明のなかのどの行に出てきても、その後の行に「 P Q {\displaystyle P\land Q} 」を示すことができるものとされている。

形式的な記法

論理積の導入の推論規則は、シークエントの記法では、次のように表すことができる。

P , Q P Q {\displaystyle P,Q\vdash P\land Q}

ここでは、「 {\displaystyle \vdash } 」は、「 P {\displaystyle P} 」および「 Q {\displaystyle Q} 」がある論理の形式体系における命題であり、その体系における証明の途中に P {\displaystyle P} Q {\displaystyle Q} それぞれが現れるときに、その証明で「 P Q {\displaystyle P\land Q} 」が論理的帰結として示されることを表す、メタ言語の記号である。

脚注

  1. ^ Hurley, Patrick (1991). A Concise Introduction to Logic 4th edition. Wadsworth Publishing. pp. 346–51 
  2. ^ Copi and Cohen
  3. ^ Moore and Parker