平面の敵

平面の敵
Flatline
ドクター・フー』のエピソード
三次元物体を二次元物体に変えられる装置。2dis。
話数シーズン8
第9話
監督ダグラス・マッキノン(英語版)
脚本ジェイミー・マシソン(英語版)
制作ニッキー・ウィルソン(英語版)
音楽マレイ・ゴールド
初放送日イギリスの旗 2014年10月18日
エピソード前次回
← 前回
オリエント急行のミイラ
次回 →
夜に現れた森
ドクター・フーのエピソード一覧

平面の敵」(へいめんのてき、原題: "Flatline")は、イギリスSFドラマドクター・フー』の第8シリーズ第9話。2014年10月18日に BBC One で初放送された。脚本はジェイミー・マシソン(英語版)、監督はダグラス・マッキノン(英語版)が担当した。

本作ではタイムマシンターディスが未知の力で縮小を始め、異星人のタイムトラベラー12代目ドクター(演:ピーター・カパルディ)が内部に閉じ込められる。現代のブリストルで立ち往生したドクターはクララ・オズワルド(演:ジェナ・ルイーズ・コールマン)に原因の解明を求め、彼女は現地の落書きアーティストのリグシー(ジョヴィアン・ウェイド(英語版))と共に調査を開始する。やがて黒幕はボーンレスと呼ばれる2次元空間の種族であることが明らかになり、クララはドクターの役目を引き継いで侵略から人類を守ろうとする。

本作は批評家から肯定的にレビューされ、特にコールマンの演技が称賛を受けた。

製作

台本の読み合わせは2014年5月19日に行われ、撮影は5月28日から6月18日にかけて行われた[1]。ターディスの外側がドールハウスの大きさまで縮小するという展開は、4代目ドクターが内部に囚われた Logopolis(1981年)でも見られた[1]

放送と反応

放送当夜の視聴者数は460万人で[2]、タイムシフト視聴者を合算すると671万人に上った[3]。Appreciation Index は85を記録した[4]

アメリカ合衆国では75万人が視聴した[5]

批評家の反応

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
The A.V. Club(英語版)B+[6]
ペースト9.4[7]
SFX4/5stars[8]
TV Fanatic4.7/5 stars[9]
CultBox4/5stars[10]
IndieWireB+[11]
IGN8.3[12]
ニューヨーク・マガジン5/5stars[13]
ラジオ・タイムズ5/5stars[14]
デジタル・スパイ(英語版)3/5stars[15]
デイリー・テレグラフ5/5stars[16]

本作は肯定的にレビューされ、特にジェイミー・マシソン(英語版)の脚本とジェナ・ルイーズ・コールマンの演技および怪物のユニークなデザインが称賛された。インデペンデント紙のニーラ・デブナスはコールマンとピーター・カパルディの演技を称賛し、本作が前話「オリエント急行のミイラ」よりも強力なエピソードであると確信した。「オリエント急行のミイラ」は同じくマシソンが執筆したエピソードであったが、デブナスはCGIに批判的であった[17]IGNのマット・リズレイは本作を10点満点で8.3点と評価し、エピソードのコンセプトとコールマンの演技を称賛したが、ゲスト出演者を批判した[18]デジタル・スパイ(英語版)のモーガン・ジェフェリーは本作に賛否両論のレビューをしており、「でこぼこ道だ」と形容した。彼もゲスト出演者に批判的であり、キャラクターの性格に深みがないと述べた。しかし彼はCGIに肯定的であり、「最近の記憶の中で番組に登場した中では最も印象的で目立つものだ」と評価した。全体として彼は本作に星5つ中3つを与えた[15]

デイリー・テレグラフのマイケル・ホーガンはゲスト出演者のクリストファー・フェアバンク(英語版)を同じくゲスト出演者のジョヴィアン・ウェイド(英語版)が凌駕していたと指摘した。彼はエピソードについて「突飛なほど独創的なアイデアがあり、スマートに実行された。スリリングで不穏な雰囲気を醸し出し、最終的には満足のいくものだった」と述べた[16]ガーディアン誌のダン・マーティンはジェイミー・マシソンの脚本について「チープなエピソードをどうするかのより効果的なデモンストレーションである」と評価し、クララが「ますますドクターに似てきている」とも主張した[19]The A.V. Club(英語版)のアラスデア・ウィルキンスは本作をB+と評価し、「長い長い間に見たことのない熱い調子だ」と主張した。ウィルキンスは「『平面の敵』は完璧ではないが、彼らの複雑な関係性が久しぶりの方法で思慮深い劇を余儀なくされたこと以外の理由はないとしても、12代目ドクターとクララが互いにどれだけ偉大な存在であったか、また彼らのペアが番組にとってどれだけ偉大であったかを強調している」と述べてレビューを締め括った[6]

書籍版

Flatline
著者Nancy Taylor
シリーズDoctor Who novelisations
出版社Pearson Education
出版日2018年6月15日
ISBN978-1292206158

Pearson Education は2018年6月15日にナンシー・テイラーによる英語学習者向けの本作の小説版を出版した[20][21]

出典

  1. ^ a b “Doctor Who, Series 8, Flatline - Flatline: Fact File”. Doctor Who. BBC (18 October 2014). 10 November 2014閲覧。
  2. ^ Miller, Paul (7 June 2010). “Who's 'Hungry Earth' draws 4.4 million”. Digital Spy. 19 October 2014閲覧。
  3. ^ “Doctor Who series 8 ratings accumulator”. 2020年9月25日閲覧。
  4. ^ “Doctor Who Series 8 (2014) UK Ratings Accumulator”. 2020年9月25日閲覧。
  5. ^ “SHOWBUZZDAILY's Top 25 Saturday Cable Originals: 10.18.2014”. ShowBuzzDaily. 2020年9月25日閲覧。
  6. ^ a b Wilkins, Alasdair (2014年10月18日). “Doctor Who: "Flatline"”. The A.V. Club. 2014年10月19日閲覧。
  7. ^ Rozeman, Mark  (2014年10月19日). “Doctor Who Review: "Flatline"”. ペースト. 2018年11月5日閲覧。
  8. ^ Farley, Jordan (2014年10月20日). “Doctor Who S8.09 Flatline review”. SFX. 2018年11月5日閲覧。
  9. ^ Pavlica, Carissa (2014年10月18日). “Doctor Who Season 8 Episode 9 Review: Flatline”. TV Fanatic. 2018年11月5日閲覧。
  10. ^ Stewart, Malcolm (2014年10月18日). “'Doctor Who' review: 'Flatline'”. CultBox. 2018年11月5日閲覧。
  11. ^ Welsh, Kaite (2014年10月18日). “Review: 'Doctor Who' Season 8 Episode 9, 'Flatline,' Goes Off the Wall (In a Good Way)”. IndieWire. 2018年11月5日閲覧。
  12. ^ Risley, Matt (2014年10月18日). “Doctor Who: "Flatline" Review”. IGN. 2014年10月19日閲覧。
  13. ^ Ruediger, Ross (19 October 2014). “Doctor Who Recap: Physical Graffiti”. Vulture.com. 5 November 2018閲覧。
  14. ^ Mulkern, Patrick (2014年10月18日). “Flatline – Doctor Who's 250th story is an outstanding, gritty tribute to Banksy”. ラジオ・タイムズ. 2018年11月5日閲覧。
  15. ^ a b Jeffery, Morgan (2014年10月18日). “Doctor Who series 8 'Flatline' recap: A bumpy ride?”. Digital Spy. 2014年10月19日閲覧。
  16. ^ a b Hogan, Michael (2014年10月18日). “Doctor Who, review, Flatline: 'a cleverly creepy premise'”. デイリー・テレグラフ. 2014年10月19日閲覧。
  17. ^ Neela Debnath (2014年10月20日). “Doctor Who 'Flatline' review: Clara isn't half bad as the Time Lord”. 2020年9月25日閲覧。
  18. ^ Matt Risley (2014年10月18日). “Doctor Who: 'Flatline'”. IGN. 2020年9月25日閲覧。
  19. ^ Martin, Dan (2014年10月18日). “Doctor Who recap: series 34, episode 9 'Flatline'”. 2020年9月25日閲覧。
  20. ^ Level 3: Doctor Who: Flatline. Pearson Education. (12 April 2018). ASIN 1292206152 
  21. ^ “Level 3: Doctor Who: Flatline - Pearson Readers”. readers.english.com. 2020年9月25日閲覧。

外部リンク

  • Flatline - BBC
ページ
キャラクター
設定
その他
  • 歴史
  • 消失したエピソード
  • テーマ曲
  • 北米での展開
  • オーストラリアでの展開
  • フーヴィアン
  • 関連商品
リスト
プロダクション
  • シリーズ一覧 (未制作)
  • 受賞とノミネート
  • DVDとブルーレイ
  • ドクターを演じた俳優
  • キャスト
  • ゲスト
  • プロデューサー
  • スクリプト・エディタ
  • 脚本家
  • 音楽
  • サウンドトラック
物語装置
  • 協力者
  • UNITの隊員
  • モンスター
  • 悪役
  • 家族など
  • 道具
  • 乗り物
その他
  • ドクター・フー・エキシビジョン
スピンオフ・関連番組
スピンオフ
ドキュメンタリー
コンサート・ステージショウ
  • Doctor Who: A Celebration
  • Doctor Who at BBCプロムス(2008、2010)
  • Doctor Who Live
主要スタッフ
  • ヴェリティ・ランバート(英語版)
  • シドニー・ニューマン(英語版)
  • テリー・ネイション(英語版)
  • バリー・レッツ(英語版)
  • テランス・ディックス(英語版)
  • フィリップ・ヒンチクリフ(英語版)
  • ロバート・ホームズ(英語版)
  • グレアム・ウィリアムズ(英語版)
  • ダグラス・アダムズ
  • ジョン・ネイサン=ターナー(英語版)
  • エリック・セイワード(英語版)
  • アンドリュー・カートメル(英語版)
  • フィリップ・シーガル(英語版)
  • ラッセル・T・デイヴィス
  • スティーヴン・モファット
  • クリス・チブナル
他メディア
小説
  • ノベライズ
  • オリジナル小説
  • バーニス・サマーフィールド
  • タイム・ハンター
オーディオ
  • オーディオブック
  • オーディオプレイ
  • オーディオリリース
  • Cyberman
  • Dalek Empire
  • Gallifrey
  • I, Davros
  • Jago & Litefoot
  • Kaldor City
  • Sarah Jane Smith
  • UNIT
  • The Lost Stories
映像
その他
  • スピンオフ
  • 舞台
  • ゲーム
  • パロディ
  • スピンオフ作品のコンパニオン
  • Faction Paradox
  • アイリス・ワイルドタイム
  • デス・ヘッド
  • 新スタートレック/ドクター・フー: Assimilation2
関連書籍
  • ドクター・フー・マガジン
  • ドクター・フー・アドヴェンチャーズ
  • ドクター・フー バトル・イン・タイム
  • ドクター・フーDVDファイル
関連
  • ビッグ・フィニッシュ・プロダクションズ
  • リールタイム・ピクチャーズ
  • BBV
  • テロス・パブリッシング
  • マッド・ノルウェージャン・プレス
  • マジック・バレット・プロダクションズ
  • アバース・ブックス
  • ポータル Portal
  • カテゴリ カテゴリ
  • ウィキペディア・ブック Book
  • ウィキプロジェクト WikiProject