十重禁戒
十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)とは出家・在家の菩薩が必ず守るべき十種の戒で、十波羅提木叉(じゅうはらだいもくしゃ)、十波羅夷(じゅうはらい)などともいう[1]。『梵網経』を典拠とするが『梵網経』にこの語は見出されず十重波羅提木叉として紹介される[1]。
十重禁戒は円頓戒の戒法である三聚浄戒(さんじゅじょうかい)の第一・摂律儀戒(しょうりつぎかい)を構成する戒であり、下記の十種からなる[1]。日本では、真言宗系で十善戒が重んじられるが、十重禁戒は、天台宗系で重んじられ、浄土宗[2]や曹洞宗[注 1]で守るべき戒とされている。
内容
- 殺戒 - 生き物を殺さない
- 盗戒 - 盗みを働かない
- 婬戒 - 出家者は性交渉をもたず[3]、在家は不倫をしない[3]
- 妄語戒 - 嘘を言わない
- 酤酒戒 - 酒を売らない[1][4]
- 説四衆過戒 - 菩薩、比丘、比丘尼の犯した罪を吹聴しない[5]
- 自讚毀他戒 - 自分を誉めて他人をそしりけなさない
- 慳惜加毀戒 - 人に与えることについて惜しまない
- 瞋心不受悔戒 - 他人から謝罪を受けたらそれを受け入れ、怒りの心によって許さないということをしない[6]
- 謗三宝戒 - 仏・法・僧の三宝をそしらない
脚注
注釈
出典
参考文献
- 新纂浄土宗大辞典
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