中心つき四面体数

中心つき四面体数(ちゅうしんつきしめんたいすう、: centered tetrahedral number)は、四面体についての中心つき図形数。非負整数 n に対して、n 番目の中心つき四面体数は

C n = 1 3 ( 2 n + 1 ) ( n 2 + n + 3 ) {\displaystyle C_{n}={\frac {1}{3}}(2n+1)(n^{2}+n+3)}

で与えられる[1]。最初のいくつかの中心つき四面体数は

1, 5, 15, 35, 69, 121, 195, 295, 425, 589, 791, ... (オンライン整数列大辞典の数列 A005894)

である。

定義と公式

まず、0番目は1点のみと見なす。すなわち C0 = 1 である。以下帰納的に、n 番目の点の並びは n - 1 番目の点の周りに、四面体の面状に点を付け加えたものと見なす。付け加える点は、通常の四面体数

T n + 1 = 1 6 ( n + 1 ) ( n + 2 ) ( n + 3 ) {\displaystyle T_{n+1}={\frac {1}{6}}(n+1)(n+2)(n+3)}

の点の並びのうち、表面のみの部分である。n = 1, 2, 3 に対しては全ての点が表面にあるが、n ≥ 4 に対しては表面のみの点の個数は(内部の点を抜いて)

T n + 1 T n 3 = 1 6 ( n + 1 ) ( n + 2 ) ( n + 3 ) 1 6 ( n 3 ) ( n 2 ) ( n 1 ) = 2 n 2 + 2 {\displaystyle T_{n+1}-T_{n-3}={\frac {1}{6}}(n+1)(n+2)(n+3)-{\frac {1}{6}}(n-3)(n-2)(n-1)=2n^{2}+2}

となる。形式上、n = 1, 2, 3 に対しても Tn - 3 = 0 となるので、全ての n ≥ 1 に対して

C n = C n 1 + ( 2 n 2 + 2 ) {\displaystyle C_{n}=C_{n-1}+(2n^{2}+2)}

が成り立つ。よって、

C n = C 0 + k = 1 n ( 2 k 2 + 2 ) = 1 3 ( 2 n + 1 ) ( n 2 + n + 3 ) {\displaystyle C_{n}=C_{0}+\sum _{k=1}^{n}(2k^{2}+2)={\frac {1}{3}}(2n+1)(n^{2}+n+3)}

である。

性質

  • 4つの連続した四面体数の和である[2]
C n = T n 2 + T n 1 + T n + T n + 1 {\displaystyle C_{n}=T_{n-2}+T_{n-1}+T_{n}+T_{n+1}}

ただし、n = -2, -1, 0 に対しては Tn = 0 と見なす。このことは、上記の定義から直ちに従う。四面体数は二項係数で表されるので、二項係数の性質を用いるなどして、様々な公式が得られる。例えば

C n = ( n 0 ) + 4 ( n 1 ) + 6 ( n 2 ) + 4 ( n 3 ) {\displaystyle C_{n}={\binom {n}{0}}+4{\binom {n}{1}}+6{\binom {n}{2}}+4{\binom {n}{3}}}

が成り立つ。このことから、次のような意味付けができる。集合 X = {1, 2, 3, ..., n + 4} とその特定の部分集合 Y = {1, 2, 3, 4} を考えよう。4個の元からなる X の部分集合のうち、Y と共通部分を持つものの個数が、Cn に等しい[2]

( 1 + x ) ( 1 + x 2 ) ( 1 x ) 4 ( = 1 + 5 x + 15 x 2 + 35 x 3 + = n = 0 C n x n ) {\displaystyle {\frac {(1+x)(1+x^{2})}{(1-x)^{4}}}\quad \left(=1+5x+15x^{2}+35x^{3}+\cdots =\sum _{n=0}^{\infty }C_{n}x^{n}\right)}

脚注

  1. ^ Deza, E.; Deza, M. (2012). Figurate Numbers. Singapore: World Scientific Publishing. pp. 126–128. ISBN 978-981-4355-48-3. https://books.google.com/books?id=cDxYdstLPz4C&q=%22centered+tetrahedron+numbers%22&pg=PA450 
  2. ^ a b c オンライン整数列大辞典の数列 A005894
自然数の類
冪数(累乗数)および関連概念
a × 2b ± 1 の形
多項式数
漸化式から定められる数
その他の特定の性質を持つ数の集合
特定の和を通じて表される数
を通じて生成される数
符号関連
  • メルテンス数(英語版)
図形数
二次元
中心つき多角数
非中心多角数
三次元
中心つき多面体数(英語版)
非中心多面体数(英語版)
  • 四面体数
  • 八面体数
  • 十二面体数(英語版)
  • 二十面体数(英語版)
  • 星型八面体数(英語版)
角錐数(英語版)
四次元
中心
  • 中心つき五胞体数(英語版)
  • 平方された三角数(英語版)
非中心
擬素数
組合せの数
数論的関数
σ(n) の性質による
Ω(n) の性質による
φ(n) の性質による
s(n) の性質による
商を割る
その他、素因子約数関連の数
  • ブラム数
  • エルデシュ–ニコラス数(英語版)
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娯楽数学(英語版)
記数法の底に依存する数
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