一切経音義
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一切経音義(いっさいきょうおんぎ)とは、大蔵経の諸仏典中の難解な語や梵語の解釈や読み方を示した音義書の書名。
概要
現在『一切経音義』と呼ばれる書物には以下の2つがある。
一切経音義 (玄応) | 唐初(7世紀中ごろ)に玄応が記した音義書。全25巻で、450部あまりの経典について音義を示す。 本来の題は『大唐衆経音義』といい、後世『一切経音義』と呼ばれるようになった。慧琳のものと区別するために『玄応音義』とも呼ぶ。 |
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一切経音義 (慧琳) | 慧琳が唐の元和2年(807年)に完成した音義書。全100巻。玄応のものと区別するために『慧琳音義』とも呼ぶ。 |
ほかに『一切経音義』の名をもつ書物には以下のものがある。
新集蔵経音義随函録(可洪) | 可洪が後晋の天福5年(940年)に完成した音義書。全30巻。『一切経音義』と呼ばれることがある。 |
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続一切経音義 (希麟) | 遼の希麟が記した音義書で、慧琳の『一切経音義』の続編として作られた。全10巻。 |
一切経音 (道慧) | 北斉の道慧が記した音義書。逸書。 |
新定一切経類音(郭迻) | 逸書。円珍『智証大師将来目録』に見える[1]。 |
内典随函音疏(行瑫) | 逸書。主に日本に部分的に伝わる[2]。 |
脚注
関連文献
- 徐時儀『一切経音義三種校本合刊 附索引本』上海古籍出版社、2012年(原著2008年)。
玄応・慧琳・希麟の『一切経音義』をまとめたもの。高麗蔵本にもとづき、校訂と索引を附す。