ロックフィールド・スタジオ
ロックフィールド・スタジオ(英: Rockfield Studios)は、ウェールズのモンマス近郊、モンマスシャーのロックフィールド(英語版)の村はずれにある録音スタジオ。数々の傑作がここで録音された[1]。
歴史
このスタジオは、キングズリー・ウォードとチャールズ・ウォードの兄弟が[1]、1963年に既存の農家を改修して設立した[2]。1965年、ここは世界初の宿泊可能な録音スタジオとなった。敷地にはコーチ・ハウスとクォッドラングルという2つのスタジオがあり、それぞれデジタル及びアナログレコーディングできるようになっている。
このスタジオで最初の大ヒットとなったのは、デイヴ・エドモンズの「アイ・ヒア・ユー・ノッキング」(1970年)である。その成功の後、バッジーが7枚のアルバム、ホークウインドが何枚か、ホーボーが1枚、1973年にピーター・ハミルが2枚目のソロ・アルバム『カメレオン・イン・ザ・シャドウ・オブ・ザ・ナイト(英語版)』、1974年にエース(英語版)がヒット・シングル「ハウロング(英語版)」、クイーンがアルバム『シアー・ハート・アタック』をレコーディングしている。クイーンは1975年8月、「ボヘミアン・ラプソディ」を含むアルバム『オペラ座の夜』のレコーディングを始めた。モーターヘッドは1975年にこのスタジオでの初レコーディングを行ない、しばらくの間、ロックフィールド・レーベルと契約した[2]。
1996年から1997年にかけての12ヶ月間において、ロックフィールドでのセッションは5枚の全英トップ・アルバム(オアシス、ブラック・グレープ、ザ・シャーラタンズ、ブー・ラドリーズ)を生み出した。
コーチ・ハウス・スタジオ
コーチ・ハウス・スタジオ(英: Coach House studio)は1968年に建てられ、ビンテージ物のマイクロフォン・アンプとイコライザを備えている。メインのミキシング・コンソールは NEVE 8128 であり、それに Neve 1060 マイクロフォン・アンプ、Rosser マイクロフォン・アンプ、API 550 イコライザ、Urei(英語版) 1060 コンプレッサがとりつけられている。
演奏室は、個別の自然な音響効果に重点を置いたバンドのレコーディングに向くようデザインされている。ヤマハ製グランドピアノを置いたライブ演奏室、石造りのドラム演奏室、別の音響効果を持つドラム演奏室が各1部屋、アイソレーション・ブースが2部屋ある。
コーチ・ハウスでレコーディングをしたアーティストには、オアシス、ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン、シンプル・マインズがいる。
クォッドラングル・スタジオ
クォッドラングル・スタジオ(英: Quadrangle studio)は1973年に建てられ、クイーンが「ボヘミアン・ラプソディ」をレコーディングしたことで最も知られている。メインのミキシング・コンソールは MCI(英語版) 500 であり、それに Neve 1060 マイクロフォン・アンプ、Rosser マイクロフォン・アンプ、API 550 イコライザ、Urei 1060 コンプレッサがとりつけられている。
クォッドラングル・スタジオの演奏室は、バンドの生演奏のレコーディング向けにデザインされている。ベーゼンドルファー製グランドピアノを置いたライブ演奏室が1部屋、異なった音響効果の広いドラム演奏室が2部屋、アイソレーション・ブースが3部屋、それらが 6m x 7m の中央コントロール室に沿って配置されている。
クォッドラングルでレコーディングをしたアーティストには、マニック・ストリート・プリーチャーズ、ロバート・プラント、コールドプレイがいる。
アーティストの一覧
1960年代
- ジ・インターンズ(英語版)
- ラヴ・スカルプチャー
- ドク・トマス・バンド[3]
1970年代
- エース(英語版)
- ジョーン・アーマトレイディング(英語版)
- アーサー・ブラウン
- ブラック・サバス
- バッジー
- デイヴ・エドモンズ
- フレイミン・グルーヴィーズ
- デル・シャノン
- ドクター・フィールグッド
- シティ・ボーイ(英語版)
- ゲイリー・シェアストン(英語版)
- エドウィン・スター
- ホーボー
- ホークウインド
- マン(英語版)
- マイク・オールドフィールド
- モーターヘッド[3]
- プレリュード(英語版)
- クイーン
- ロイ・ハーパー
- ラッシュ
- ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター
- ブリンズリー・シュウォーツ
1980年代
- アダム&ジ・アンツ
- エイジ・オブ・チャンス(英語版)
- バウハウス
- バッドマナーズ(英語版)
- クリスチャン・デス(英語版)
- クラナド
- ダムド
- エコー&ザ・バニーメン
- エディ・ブリケル&ニュー・ボヘミアンズ
- フィールズ・オブ・ザ・ネフィリム(英語版)
- イアン・ギラン
- ジ・アイシクル・ワークス(英語版)
- モンスーン
- イギー・ポップ
- ジョー・ ビーグル(英語版)
- ロバート・プラント[1]
- ザット・ペトロール・エモーション(英語版)
- シンプル・マインズ[3]
- ザ・スキッズ
- ストラングラーズ
- ティアドロップ・エクスプローズ(英語版)
- トゥ・パウ[3]
- ジ・アンダートンズ(英語版)
- ウォーターボーイズ(英語版)
- ワンダー・スタッフ
1990年代
- 60フット・ドールズ(英語版)
- アッシュ
- アズテック・カメラ[3]
- ビッグ・カントリー
- ブラック・グレープ
- ブラック・サバス
- ブルートーンズ
- ブー・ラドリーズ
- ザ・シャーラタンズ
- キャスト
- コールドプレイ
- デル・アミトリ(英語版)
- ゲイダッド
- ジーン
- HIM
- ジュリアン・レノン
- アニー・レノックス
- マニック・ストリート・プリーチャーズ
- メンズウェア
- ニュー・オーダー
- ノースサイド(英語版)
- オアシス
- オーシャンサイズ(英語版)
- ポール・ウェラー
- ザ・ポーグス
- ロック・ユニオン
- セパルトゥラ
- ザ・ストーン・ローゼズ[2]
- スーパー・ファーリー・アニマルズ
- ティーンエイジ・ファンクラブ
- トップローダー(英語版)
- ウィットネス(英語版)
- ザ・ウェディング・プレゼント
- XTC
2000年代
- バッドリー・ドローン・ボーイ
- バンド・オブ・スカルズ
- ザ・ベータ・バンド(英語版)
- ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン
- カタトニア
- ザ・コーラル
- ザ・ダークネス
- ディレイズ(英語版)
- デルフィック
- フューネラル・フォー・ア・フレンド
- ジ・エナミー
- ジャイロスコープ(英語版)
- ヘヴン・アンド・ヘル
- イン・ケイス・オブ・ファイア(英語版)
- ジョー・ストラマー
- KTタンストール
- カサビアン
- マニック・ストリート・プリーチャーズ
- モーニング・ランナー(英語版)
- ナイジェル・ケネディ
- オーシャン・カラー・シーン
- パオロ・ヌティーニ
- シンプル・マインズ
- スターセイラー(英語版)
- スエード
- スーパーグラス
- スーパー・ファーリー・アニマルズ
- ザ・プロクレイマーズ[3]
- バイオレント・ソーホー(英語版)
2010年代
脚注
- ^ a b c “Zep singer returns to solo roots”. BBC News. (2006年5月20日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/wales/south_east/4997082.stm 2008年8月6日閲覧。
- ^ a b c Collins, Jeff (2007). Rock Legends At Rockfield. University of Wales Press. ISBN 978-0-7083-2097-6
- ^ a b c d e f “ockfield Studios - Legendary music studios” (英語). RecordProduction.com. 2012年4月15日閲覧。
外部リンク
- “Rockfield Studios” (英語). 2012年4月15日閲覧。 - 公式サイト
- “Laid in Wales” (英語). Resolution (November/December 2003). 2012年4月15日閲覧。 (PDF, 159 KB) - 『Resolution』誌の特集記事
座標: 北緯51度49分30秒 西経2度44分53秒 / 北緯51.82500度 西経2.74806度 / 51.82500; -2.74806