ムキウス氏族

フランチェスコ・フォンテバッソ画、エトルリアポルセンナの前で腕を焼いてみせるガイウス・ムキウス・スカエウォラ(18世紀中頃)

ムキウス氏族 (ラテン語: Gens Mucia) は、古代ローマ氏族のひとつ。法学者を輩出したスカエウォラが有名。

メンバー

スカエウォラ

スカエウォラのコグノーメン紀元前6世紀末に利き腕を焼いてローマ人の勇気を示したガイウス・スカエウォラの伝説が元となっているというが、プレブスノビレスであるスカエウォラの興隆は彼の登場から300年近く経っており、直接の子孫かは疑わしい。スカエウォラ家は紀元前2世紀以降、最高神祇官を3人、アウグルを1人、法学者を少なくとも5人輩出し、「法学者の権門」「ローマ史上最も偉大な政治的・法学的家系」と呼ぶ研究者もいる[1]

紀元前3世紀以降の家系図についてはミュンツァーを元にした林の図を参照した[2]

その他

  • クィントゥス・ムキウス:紀元前133年の護民官。ティベリウス・グラックスがセンプロニウス農地法に反対する護民官の一人マルクス・オクタウィウスを解任した後、グラックスの支援者として選出された。文献によってムンミウス、あるいはミヌキウスと諸説ある[7]
  • クィントゥス・ムキウス・オレスティヌス:紀元前64年の護民官。執政官選挙に立候補していたマルクス・トゥッリウス・キケロをふさわしくないとして攻撃[8]

脚注

  1. ^ , 第二章第一節.
  2. ^ , p.44 図表H.
  3. ^ リウィウス, 2.12-13.
  4. ^ Broughton Vol.1, p.21.
  5. ^ Broughton Vol.2, p.223.
  6. ^ Broughton Vol.2, p.427.
  7. ^ Broughton Vol.1, p.493.
  8. ^ Broughton Vol.2, p.162.

参考文献

  • ティトゥス・リウィウスローマ建国史』。 
  • 林智良『共和政末期ローマの法学者と社会』法律文化社、1997年。 
  • T. R. S. Broughton (1951, 1986). The Magistrates of the Roman Republic Vol.1. American Philological Association 
  • T. R. S. Broughton (1952). The Magistrates of the Roman Republic Vol.2. American Philological Association