タム・ペイトン

トマス・ダグラス・"タム"・ペイトン(Thomas Dougal "Tam" Paton、1938年8月5日 - 2009年4月8日)は、ポップ・グループのマネージャーで、特にスコットランドボーイ・バンドであるベイ・シティ・ローラーズのマネージャーとして知られた。

経歴

ペイトンは、ジャガイモ商人の息子としてスコットランドプレストンパンズ(英語版)に生まれた[1]。彼は、ベイ・シティ・ローラーズを1970年代半ばの成功した時期に導き、彼らに「隣の男の子たち (boys next door)」というイメージを作り上げた。彼は、バンドのメンバーたちが酒よりも牛乳を飲む方が好きだといった神話を作り上げ、クリーンで無邪気なイメージを生み出した。しかし、ボーカリストのレスリー・マッコーエンは後に、ペイトンはバンドのメンバーたちに薬物をやらせたと語り、「僕たちがちょっとばかり疲れていると、アンフェタミンを与えられた」としている。2005年時点の回顧で、マッコーエンは、「彼は僕たちを眠らせないように、スピードとかブラック・ボンバーを与えた。最後はもうお互いにいかにバカげた薬をやっているかを自慢し合っているような状態になってた」と述べている[1]

1970年代後半には、ペイトンはロゼッタ・ストーン(英語版)のマネージャーを務め、そのギタリストだったポール・ラーウィル(Paul Lerwill)、後のグレゴリー・グレイ(英語版)と恋愛関係にあった[2]

1982年、ペイトンは、当時、合意に基づく行為が合法とされていた21歳に満たない、16歳と17歳の十代の少年ふたりに対する性犯罪で有罪を宣告され、3年の懲役刑となり、1年間実際に服役した[3]。当時、ゲイの性行為に関する合意が成立する年齢は、ストレート(異性愛)の性行為の場合の16歳よりも高かった。この不均等は2001年まで残っていた[4]

後年のペイトンは、健康を害し、2度の心筋梗塞に加え、脳卒中にも襲われた。2003年1月には児童性的虐待により逮捕されたが、この疑いは後に晴れた[5]2004年4月、ペイトンは大麻を提供した罪で20万ポンドの罰金を課された[6]2003年には、1977年にあるホテルで、当時ベイ・シティ・ローラーズのギタリストだったパット・マッグリンを強姦しようとした、として告発された[7]。警察当局は、証拠不十分として起訴しなかった[8]

2009年4月8日、ペイトンはエディンバラの自宅で、おそらくは心筋梗塞により70歳で死去した[9]。死去の時点で、彼の体重は25ストーン(およそ159kg)に達していた[8]。ペイトンは、ゲイであることを公言していた[10]

脚注

  1. ^ a b Sweeting, Adam (9 April 2009). “Obituary: Tam Paton”. 22 April 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。13 November 2018閲覧。
  2. ^ “Gregory Gray, AKA Mary Cigarettes, has died”. Hotpress. 2 June 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。6 June 2019閲覧。
  3. ^ “Welcome to Tam Paton's weird world”. www.scotsman.com. 2021年3月19日閲覧。
  4. ^ “Legal equality”. Young Stonewall (17 June 2015). 12 November 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。20 January 2021閲覧。
  5. ^ “Rollers boss sex inquiry dropped” (10 March 2003). 2 July 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。27 November 2007閲覧。
  6. ^ “Ex-Rollers boss fined £200,000” (30 April 2004). 2 July 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。27 November 2007閲覧。
  7. ^ Edward, Rhiannon (22 August 2007), “Former Rollers manager Paton cleared of rape claim”, The Scotsman (Edinburgh), オリジナルの15 February 2009時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20090215123038/http://news.scotsman.com/baycityrollers/Former-Rollers-manager-Paton-cleared.3319561.jp 10 April 2009閲覧。 
  8. ^ a b “Tam Paton bedroom bulldozed after 'seedy' history”. Edinburghnews.scotsman.com. 26 July 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。1 December 2017閲覧。
  9. ^ “Ex-Bay City Rollers boss Tam Paton found dead in bath”. News.scotsman.com. (10 April 2009). オリジナルの12 April 2009時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090412122525/http://news.scotsman.com/baycityrollers/ExBay-City-Rollers-boss-Tam.5157028.jp 2 November 2013閲覧。 
  10. ^ “Ex-Rollers manager is cleared on rape claims”. The Scotsman. (21 August 2007). オリジナルの25 March 2010時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100325170001/http://news.scotsman.com/baycityrollers/ExRollers-manager-is-cleared-on.3319381.jp 2 November 2013閲覧。 

参考文献

  • Stambler, Irwin. Encyclopedia of Pop, Rock & Soul. 1974. St. Martin's Press, Inc. New York ISBN 0-312-25025-8.
  • ノビー・クラーク
  • ジョン・ディヴァイン
  • ダンカン・フォール
  • ビリー・ライオール(英語版)
  • アーチー・マー
  • エリック・マンクラーク
  • パット・マッグリン
  • イアン・ミッチェル
  • ニール・ヘンダーソン
  • デイヴィッド・ペイトン(英語版)
オリジナル・アルバム
  • エジンバラの騎士 (1974)
  • 噂のベイ・シティ・ローラーズ (1975)
  • 青春のアイドル (1975)
  • 青春に捧げるメロディー (1976)
  • 恋のゲーム (1977)
  • 風のストレンジャー(英語版)(1978)
  • エレベーター(1979)
  • ザ・ヒーロー(英語版)(1980)
  • リコシェ(英語版)(1981)
  • ブレイクアウト (1985)
  • その他のアルバム
    • ベイ・シティ・ローラーズ (1975)
    • ロックン・ロール・ラブレター (1975)
    • ニュー・ベスト (1976)
    • ベスト・オブ・ベイ・シティ・ローラーズ (1976)
    • ライヴ・イン・ジャパン (1985)
    • 武道館ライヴ 1977 (2001)
    • A Christmas Shang-A-Lang (2015)
    おもなシングル
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