カクヨム甲子園
カクヨム甲子園(カクヨムこうしえん)は、株式会社KADOKAWAが主催する全国規模の文学コンテスト。
Web小説投稿サイト「カクヨム」上で開催される。
概要
日本在住の高校生(募集開始時点で高等学校、特別支援学校高等部、専修学校等といった各種の学校で修業年限が高等学校と一致している生徒、又は高等専門学校の第3学年以下の生徒[1])を対象とする小説コンテストである。
「文学はキミの友達。カクヨム甲子園」と称して、2017年に初回が開催された[2]。
例年授賞式が行われるが、2020年度から2022年度にかけては新型コロナウイルス感染症の影響によってオンライン上で開催された。カクヨム甲子園2023より、東京において、対面による授賞式を再開した[3]。
参加企業
※()内は参加年度を示す。
後援企業
- 読売新聞社(2017~)
協賛企業
- キリンビバレッジ株式会社(2018)
- キンコーズ・ジャパン株式会社(2019)
- カルビー株式会社(2021)
- 大塚製薬株式会社(2022)
- AKRACING(2023)
- 株式会社キングジム(2024)
協力企業
- キンコーズ・ジャパン株式会社(2020~)
募集要項
カクヨム甲子園の募集要項について、「募集部門」、「募集ジャンル」、「賞」に分類し記載する[1]。
募集部門
- ロングストーリー部門
- 2017年度~2019年度:8000文字以上、20000文字以下の作品
- 2020年度~:6000文字以上、20000文字以下の作品
- ショートストーリー部門
- 2017年度~2021年度:4000文字以下の作品
- 2022年度~:400文字以上、4000文字以下の作品
募集ジャンル
- 現代ドラマ
- 恋愛
- ラブコメ
- ミステリー
- ホラー
- SF
- 異世界ファンタジー
- 現代ファンタジー
- 歴史・時代・伝奇
- 詩・童話・その他
- エッセイ・ノンフィクション
[注釈 1]
賞
大賞:各部門1名
奨励賞:各部門5名程度 [注釈 2]
読売新聞社賞:各部門1名
協賛賞:各部門1名
選考
2024年度現在(最新回)における選考方法は、一次選考、二次選考、最終選考、受賞作品決定の流れとなっている。一次選考はカクヨム編集部が選考し、一次選考を通過した作品は「中間選考通過作品」となる。続いて二次選考として、カクヨム編集部が「中間選考通過作品」を選考する。二次選考を通過した作品は「最終選考作品」となり、選考委員による選考の対象となる[1]。
[注釈 3][4]
主な受賞者
- Re:over 2017ショートストーリー部門読売新聞社賞・奨励賞[5]
- 横谷 タクミ 2017ロングストーリー部門読売新聞社賞・奨励賞[6]
- キノ猫 2018ショートストーリー部門キリンレモン賞、2019ショートストーリー部門奨励賞[7][8]
- KOUKING (現:カムリ) 2018ロングストーリー部門奨励賞[9] -小説家
- 朔 2018ショートストーリー部門最終選考、2019ロングストーリー部門キンコーズ・ツクル賞、2020ロングストーリー部門奨励賞[7][10][11]
- 朔(ついたち) 2019ロングストーリー部門読売新聞社賞、2020ショートストーリー部門大賞[10][12]
- 陽子 2019ロングストーリー部門最終選考、2020ロングストーリー部門最終選考、2021ロングストーリー部門最終選考・奨励賞[13]
- 虻瀬(現:虻瀬犬) 2020ショートストーリー部門奨励賞[12] -音楽家
- 朝田さやか 2020ロングストーリー部門読売新聞社賞、2021ロングストーリー部門奨励賞[11][13]
- 月の瀬/楓椛 2020ショートストーリー部門読売新聞社賞、2021ロングストーリー部門カルビー賞[12][13]
- しがない 2021ショートストーリー部門大賞、2022ショートストーリー部門最終選考、2022ロングストーリー部門大賞・奨励賞[14][15][16]
- 青葉(現:青葉寄) 2021ロングストーリー部門最終選考、2022ショートストーリー部門ポカリスエット賞[13][15] -小説家(第18回小学館ライトノベル大賞 大賞受賞者)
ショートストーリー部門大賞受賞者一覧
※ペンネームは受賞時のもの。
年度 | 応募総数 | ジャンル | 大賞受賞作 | 作者 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|
2017 | 612 | 現代ファンタジー | この世には理解できないことがあるのか否かについての考察 | sichisei | [5] |
2018 | 779 | 恋愛 | 少女は鍵を三度失くした | 名取 雨霧 | [7] |
2019 | 835 | SF | うつくしいひと | ななこ | [8] |
2020 | 1230 | 現代ドラマ | たんぽぽ娘 | 朔(ついたち) | [12] |
2021 | 981 | 現代ファンタジー | 私 | しがない | [14] |
2022 | 1304 | 恋愛 | 初デート前レター | 三嶋悠希 | [15] |
2023 | 不明 | ホラー | 返魂香 | 白玖黎 | [17] |
ロングストーリー部門大賞受賞者一覧
※ペンネームは受賞時のもの。
年度 | 応募総数 | ジャンル | 大賞受賞作 | 作者 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|
2017 | 478 | 恋愛 | あまのじゃく | 凩 | [6] |
2018 | 410 | 現代ドラマ | 猫おじさん | 鴉乃雪人 | [9] |
2019 | 393 | 現代ドラマ | 青春病 | 神無月 | [10] |
2020 | 703 | 不明 | 毒を食らわば来世まで | 小粋な馬鹿 | [11] |
2021 | 668 | 現代ファンタジー | 世界は日高色に染まる。 | 占冠 愁 | [13] |
2022 | 723 | 現代ドラマ | クレーのいた冬 | しがない | [16] |
2023 | 不明 | 現代ドラマ | 一夏の驚愕 | 楠 夏目 | [17] |
歴代選考委員
最終選考は例年、カクヨム編集長、作家(1名)、読売新聞東京本社活字文化推進会議、協賛企業によって行われる。
2017
- 河野葉月-カクヨム編集長
- 暁なつめ-作家
- 日江井俊男-読売新聞東京本社活字文化推進会議
2018
- 河野葉月-カクヨム編集長
- 鏡貴也-作家
- 日江井俊男-読売新聞東京本社社活字文化推進会議
- 二宮倫子-キリンビバレッジ株式会社
- 脇山正大-キリンビバレッジ株式会社
2019
- 河野葉月-カクヨム編集長
- 葵せきな-作家
- 池辺英俊-読売新聞東京本社活字文化推進会議
- 渡辺浩基-キンコーズ・ジャパン株式会社
2020
- 河野葉月-カクヨム編集長
- 朝霧カフカ-作家
- 鈴木稔-読売新聞東京本社活字文化推進会議
2021
- 河野葉月-カクヨム編集長
- 羊太郎-作家
- 鈴木稔-読売新聞東京本社活字文化推進会議
- 野堀和哉-カルビー株式会社
2022
- 河野葉月-カクヨム編集長
- 佐野徹夜-作家
- 佐藤浅伸-読売新聞東京本社活字文化推進会議
- 原康太郎-大塚製薬株式会社
2023
- 河野葉月-カクヨム編集長
- 暁佳奈-作家
- 新庄秀規-読売新聞東京本社活字文化推進会議
- 野嵜太郎-テックウインド株式会社
2024
- 河野葉月-カクヨム編集長
- はやみねかおる-作家
- 新庄秀規-読売新聞東京本社活字文化推進会議
- 立石幸士-株式会社キングジム
- 浅原ナオト氏各社担当編集者-KADOKAWA、幻冬舎、新潮社、スターツ出版
賞の特徴
「カクヨム」に会員登録をしている高校生であれば、誰でも参加することができる。したがって、年々応募総数は増加している。最新回である2023年度は計2,002作品が集まった。現時点での最多応募総数は2022年度の計2,027作品である。
募集ジャンルを幅広く設定しているのが特徴であり、受賞作のジャンルに偏りは見受けられない。また、応募できる作品数に限りがないため、一人の作者が同時に複数の賞を受賞することがある[注釈 4][6][16]。)
「カクヨム」では自身のワークスペース上で作品を「完結済」「連載中」のどちらかに設定できるが、カクヨム甲子園では「完結済」にされている作品のみ選考対象となるため、注意が必要である。
年度毎に異なるキャッチフレーズが定められてきた。「文学はキミの友達」(2017~2022)、「夏休みは作家デビュー!」(2019~2021)、「心震わす今がある。今しか書けない物語も、きっとある」(2022)、「書くことに向き合う、書くことでつながる夏が、きっとあなたの糧になる。踏み出せ、作家への一歩」(2023)、「小説を書くことで、広がる世界がある」(2024)など。
書籍化
各賞の受賞者には賞状・盾・図書カード・Amazonギフトカードなどが贈られるが、書籍化は確約されていない。しかし、2019年度のキンコーズ・ツクル賞受賞者には、受賞作を収録したオリジナル本20冊が贈呈された[18]。
また、2023年8月、カクヨム甲子園2018ロングストーリー部門で奨励賞を受賞した『めんとりさまー』が、カクヨム甲子園受賞作として初めて書籍化された[19][20][21][22]。(改題後:『めんとりさま Faceless Summer』)
脚注
注釈
- ^ ただし、「歴史・時代・伝記」及び「詩・童話・その他」は2019年度より追加された。
- ^ 奨励賞に関して、2022年度時点での募集要項では「5名」の募集であったが、2022年度のロングストーリー部門において6名に奨励賞が授与されたため、現在は「5名程度」となっている。
- ^ 2022年度において、募集要項では「カクヨム編集部にて一次選考を行い、一次選考を通過した作品が最終選考対象作品としてエントリーされます。その後、最終選考委員で選考を行い、受賞作品を選出いたします」と記されていたが、結果的には一次選考の後に二次選考を挟む選考過程となった。
- ^ 2017年度の両部門において同一作者が読売新聞社賞と奨励賞を、2022年度のロングストーリー部門において同一作者が大賞と奨励賞を受賞している。
出典
- ^ a b c “【高校生限定】カクヨム甲子園2024 応募要項 - カクヨム”. カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト. 2024年7月16日閲覧。
- ^ kadokawa-toko (2017年5月25日). “文学はキミの友達。「カクヨム甲子園」”. カクヨム特設ページ. 2024年2月19日閲覧。
- ^ kadokawa-toko (2024年4月15日). “カクヨム甲子園2023の贈賞式を4年ぶりにリアルで開催しました”. カクヨムからのお知らせ. 2024年4月19日閲覧。
- ^ kadokawa-toko (2023年5月18日). “高校生限定の小説コンテスト「カクヨム甲子園2022」 ーKADOKAWA主催”. カクヨム特設ページ. 2024年2月19日閲覧。
- ^ a b “【高校生対象】文学はキミの友達。「カクヨム甲子園」【ショートストーリー部門】 最終選考結果 - カクヨム”. カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト. 2024年4月2日閲覧。
- ^ a b c “【高校生対象】文学はキミの友達。「カクヨム甲子園」【ロングストーリー部門】 最終選考結果 - カクヨム”. カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト. 2024年4月2日閲覧。
- ^ a b c “【高校生対象】文学はキミの友達。「カクヨム甲子園2018」【ショートストーリー部門】 最終選考結果 - カクヨム”. カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト. 2024年4月2日閲覧。
- ^ a b “【高校生対象】文学はキミの友達。「カクヨム甲子園2019」【ショートストーリー部門】 最終選考結果 - カクヨム”. カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト. 2024年4月2日閲覧。
- ^ a b “【高校生対象】文学はキミの友達。「カクヨム甲子園2018」【ロングストーリー部門】 最終選考結果 - カクヨム”. カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト. 2024年4月2日閲覧。
- ^ a b c “【高校生対象】文学はキミの友達。「カクヨム甲子園2019」【ロングストーリー部門】 最終選考結果 - カクヨム”. カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト. 2024年4月2日閲覧。
- ^ a b c “【高校生対象】文学はキミの友達。「カクヨム甲子園2020」【ロングストーリー部門】 最終選考結果 - カクヨム”. カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト. 2024年4月2日閲覧。
- ^ a b c d “【高校生対象】文学はキミの友達。「カクヨム甲子園2020」【ショートストーリー部門】 最終選考結果 - カクヨム”. カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト. 2024年4月2日閲覧。
- ^ a b c d e “【高校生対象】文学はキミの友達。「カクヨム甲子園2021」【ロングストーリー部門】 最終選考結果 - カクヨム”. カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト. 2024年4月2日閲覧。
- ^ a b “【高校生対象】文学はキミの友達。「カクヨム甲子園2021」【ショートストーリー部門】 最終選考結果 - カクヨム”. カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト. 2024年4月2日閲覧。
- ^ a b c “【高校生限定】「カクヨム甲子園2022」【ショートストーリー部門】 最終選考結果 - カクヨム”. カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト. 2024年4月2日閲覧。
- ^ a b c “【高校生限定】「カクヨム甲子園2022」【ロングストーリー部門】 最終選考結果 - カクヨム”. カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト. 2024年4月2日閲覧。
- ^ a b “【高校生限定】カクヨム甲子園2023 最終選考結果 - カクヨム”. カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト. 2024年4月2日閲覧。
- ^ kadokawa-toko (2019年6月7日). “カクヨム甲子園2019 「キンコーズ・ツクル賞」について”. カクヨムからのお知らせ. 2024年2月19日閲覧。
- ^ “めんとりさまー(カムリ) - カクヨム”. カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト (2023年8月31日). 2024年2月19日閲覧。
- ^ kadokawa-toko (2023年8月25日). “めんとりさま Faceless Summer”. 書籍化・映像化・ゲーム化作品. 2024年2月19日閲覧。
- ^ 『めんとりさま Faceless Summer』KADOKAWA、2023年。
- ^ kadokawa-toko (2023年8月24日). “【オファーの瞬間】『めんとりさま』|カクヨム甲子園からはじめての書籍化”. カクヨムからのお知らせ. 2024年2月19日閲覧。
KADOKAWA / KADOKAWAグループ | ||
---|---|---|
取締役 |
| |
ブランド | ||
連結子会社 |
| |
持分法適用会社 |
| |
学校法人角川ドワンゴ学園 | ||
関連人物 | ||
関連項目 | ||
カテゴリ |