アカバナ

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アカバナ
福島県会津地方 2014年9月
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ上類 Superrosids
階級なし : バラ類 Rosids
階級なし : アオイ類 Malvids
: フトモモ目 Myrtales
: アカバナ科 Onagraceae
: アカバナ属 Epilobium
: アカバナ
E. pyrricholophum
学名
Epilobium pyrricholophum Franch. et Sav.[1]
和名
アカバナ(赤花[2]、赤葉菜[3]
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ウィキスピーシーズにアカバナに関する情報があります。

アカバナ(赤花・赤葉菜、学名:Epilobium pyrricholophum )は、アカバナ科アカバナ属多年草 [2][4][5]

特徴

には稜がなく円柱形で、高さは15-90cmになり、短い腺毛が生え、上部で多くの枝を分ける。は上部の葉を除いて対生し、短い葉柄があるか無柄でしばしば茎を抱き、葉身は長さ2-6cm、幅0.7-3cmの卵形から卵状披針形で、先端は鈍形か鋭形、基部は広いくさび形からやや心形で、縁にあらい鋸歯がある。茎と葉は紅紫色になることがある[2][4][5]

花期は7-9月。は茎上部の葉腋から単生する。花の基部に細長くつく花柄状のものは、のちに果実になる子房で腺毛がつく。片は4個あり、裂片は長さ4-6.5mmの披針形で外面に腺毛が密につく。花は淡紅白色から紅色で径約8mm、花弁は4個あり、倒卵形で先端が2裂する。雄蕊は8個あり、そのうち4個が長い。雌蕊の柱頭は棍棒状。果実は4稜形の細長い蒴果で長さ3-8cmになり、短い腺毛があり、先端から裂開する。種子は長さ1.5-1.8mmの長楕円形で、赤褐色の冠毛状の長い毛(種髪)がつき、風によって飛ばされる[2][4][5][6]

分布と生育環境

日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、山麓や野原の水湿地に生育する。世界では、朝鮮半島中国大陸樺太千島列島に分布する[4][5]

名前の由来

和名のアカバナは、「赤花」の意で、夏以降に茎葉が紅紫色になることによる[5]。春の若い葉は食用になることから、「赤葉菜」とする説もある[3]

種小名pyrricholophum は、「赤色の種毛がある」の意味[5]

ギャラリー

  • 茎葉が紅紫色になることがあり、和名の由来となる。
    茎葉が紅紫色になることがあり、和名の由来となる。
  • 柱頭は棍棒状になる。
    柱頭は棍棒状になる。

下位分類

  • ムツアカバナ(陸奥赤花) Epilobium pyrricholophum Franch. et Sav. var. curvatopilosum H.Hara[7] - 基本種と比べ腺毛がなく屈毛があるもの[8]。基本種と区別しない考えがある[7]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ アカバナ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.305
  3. ^ a b 『山溪名前図鑑 野草の名前 夏』p.10
  4. ^ a b c d 『日本の野生植物草本II離弁花類』pp.264-265
  5. ^ a b c d e f 『新牧野日本植物圖鑑』p.484, p.1343
  6. ^ 『改訂新版 日本の野生植物 3』p.265
  7. ^ a b ムツアカバナ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  8. ^ 『吾妻山の植物』p.185

参考文献

  • 佐竹義輔大井次三郎北村四郎他編『日本の野生植物 草本II離弁花類』、1982年、平凡社
  • 佐藤光雄著『吾妻山の植物』、1995年、歴史春秋出版
  • 高橋勝雄『山溪名前図鑑 野草の名前 夏』、2003年、山と溪谷社
  • 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
  • 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
  • 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 3』、2016年、平凡社
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
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