おとがい
オトガイ | |
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頸部前面 | |
概要 | |
動脈 | 下歯槽動脈 |
神経 | オトガイ神経 |
表記・識別 | |
ラテン語 | mentum |
MeSH | D002680 |
ドーランド /エルゼビア | c_27/12232781 |
TA | A01.1.00.011 |
FMA | 46495 |
解剖学用語 [ウィキデータを表示] |
頤(おとがい)は、ヒトの下あごまたは下あごの先端をさす語である。解剖学用語ではオトガイと表記し、下顎骨の先端部をさす[1]。ヒトでは頤の形にかなり大きな変異(個体差)がある。
オトガイは音声に関連する口唇の微妙な動きを可能にする筋群が付着する部位として発達してきた。ヒトの進化においてオトガイは分岐学上の派生的形質のひとつであり、現生人類を古生人類から分ける解剖学的な定義のひとつとなっている。
オトガイに起始または停止する筋群には、オトガイ横筋、オトガイ筋、オトガイ舌筋、オトガイ舌骨筋がある。その他オトガイの名を冠する解剖学用語として、オトガイ隆起、オトガイ神経、オトガイ孔などがある。
美人の形容として、「おとがい細く」のような使い方がある。
おとがいは英語では「chin(チン)」と呼ばれ、顎そのものを意味する「jaw(ジョー)」とは区別されるが、ボクシングやプロレスなどの格闘技では、攻撃の標的としての顎がしばしば頤と混同される事があり、プロレス技の顎砕き(チンクラッシャー)や、石原裕次郎の『嵐を呼ぶ男』の主題歌の歌詞(ボディブローやアッパーカットを形容した箇所)にもこうした英語表現がみられる。
おとがいが二つに割れているように見えるものは割れ顎と呼ばれ、しばしば尻顎(けつあご)とも蔑称される。
また、おとがいの周囲の皮膚がたるんで顎が二重になったように見えるものは二重顎(にじゅうあご)とも呼ばれ、英語表記の「Double chin」が「デブ」の語源になったという説もあるなど[2]して、一般的には肥満の典型的な様態であるとされるが、二重顎は必ずしも肥満だけが原因ではなく、猫背や姿勢の悪さに起因するおとがい周囲の浮腫や[3]、極端な場合突顎の顔貌に発展する事もあるアデノイド顔貌が原因である[4]ともされており、体が痩せている人物でも二重顎となる場合はある。
- 二つに割れたおとがい(割れ顎)の人物。ウィリアム・マッキンレー(1900年頃の撮影)
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脚注
- ^ 漢語の「頤」(日本語の「頤」)は、文章語として「頷」(下あごの先端(おとがい、chin)あるいは両脇(えら、jowl))または(「頜」(あご全体、jaw(「顎」に同じ))を指し、転じて現代では専ら「瞼頬」(ほほ、cheak)を指す。なお音符の「𦣞」(あるいは異体の「𦣝」)は、「頤」の(本字(古字))であり、『説文解字』では下あごの象形文字とされている。また左に縦棒を添えた「頥」も異体同字。
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